椅子6脚 の組み立て第一段階が終了。
なんでもない角材が2、3個合体して形になると、とたんに
「モノ」 としての存在感が出てくる。こうやって
「線」 が
「面」 になり、そして
「立体」 になっていく。この過程が家具作りの一番の醍醐味かもしれない。
この華やかな作業に至るまでには地味~な作業の連続がある。「はやく立体が見たい!」その一心が、地味な作業を楽しくさせる。そしてその華やかな場面は一瞬で終わってしまい、目の前にずーっと頭の中にだけ描いていたモノが現物として存在する。このときの心境をなんと表現したらいいか。「喜び」では決してない。むしろ「寂しさ」。
「祭りの後」 のような虚無感とでも言おうか、なんだかやるせないのである。いつも自分でも不思議に思う。
しかし、オイルを塗り化粧をして、お客様のところに嫁ぐ日が近づく。最後の華やかな場面が近づくにつれ、また新たな興奮が沸いてくる。そして工房から姿を消し、ほんとの寂しさがやってくる。
一人工房でこんなことを考えながら作業をしている。家具を擬人化し過ぎ、ちょっと危ない領域に入る前にほんとの人間に会わなければいけない。
そろそろまた誰かと飲まなけりゃなぁ。
- 2012/05/02(水) 23:31:14|
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